生態系評価学研究室‐生物群集と景観の生態学‐

横浜国立大学大学院環境情報研究院
自然環境と情報部門 自然環境専攻(HP

当研究室では、人間活動が生態系へおよぼす影響を理解し、生態系の利用と保全の両立に貢献する生態系の管理や保全について研究しています。
本学の社会生態システム研究拠点(HP)に参画しています。

学部生・大学院生を募集しています。
海外特別研究員・学振PD等の受け入れも歓迎いたします。

研究内容などご相談があれば、下記連絡先から気軽にご連絡ください。

最近のできごと

当研究室の研究成果が誌上発表されました.(2022.11.04)(LINK)

博士課程後期2年の孙熙が中心となって進めた研究成果の一部です。東京-横浜の都市緑地において、希少な植物種がどのように分布しているかを明らかにしました。
本研究では、植物種の希少性として、従来の出現頻度や地理分布に基づく希少性と、植物種の形質(葉や種子の特徴など)に基づく希少性の両面から、希少性を定義しました。
前者と後者の希少性は、空間スケールによらず、必ずしも相関しないことが明らかになりました。
植物種の特徴の多様性も含めて保全を考える上では、種の希少性を本研究のように複合的に把握することが重要であることが示唆されます。

当研究室の研究成果が誌上発表されました. (2022.10.28)  LINK | プレスリリース記事

研究室卒業生の冨高まほろが中心となって進めた研究(R3年度修士論文)です。都市における典型的な緑地タイプである都市公園と里山における景観および植物群落の写真を撮影し、それぞれの写真に対して、保全選好度(緑地を保全・管理するための環境税の年額を想定した場合に、人々が支払う意思のある額)を問うアンケート調査を行いました。結果、人々の都市緑地に対する保全選好度は対象とする緑地タイプや空間のスケールに左右されることが明らかになりました。

当研究室の研究成果(共同研究)が誌上発表されました.(2022.10.12)  LINK

研究室卒業生の巻島大智が中心となって進めた研究(R2年度修士論文)です。青森県八甲田山系の湿原群を対象に、過去(1967年)から現在(2019年)にかけての湿原面積減少の空間パターンから予測される将来の湿原面積の減少をシミュレーションしました。シミュレートされた面積減少に伴って、湿原植物の種数がどのように減少するかを定量化しました。面積減少の空間パターンを考慮すると、空間パターン考慮しない場合に比べて、概して種数が速く減少することがわかりました。本研究結果は、生物種の消失リスクの定量化の際に、生息地の面積の減少の空間的なパターンを考慮することの重要性を示唆しています。

当研究室の研究成果(共同研究)が誌上発表されました.(2022.8.18)LINK | プレスリリース記事

山岳域や寒冷地における湿原は、世界の陸地に占める面積は少ないものの、低温・過湿条件によって植物が分解されずに堆積するため、大きな炭素吸収源としての役割を果たしています。本研究では、青森県八甲田山系に多数分布する山岳湿原群を対象に調査を行い、特定の植物群および微生物群が炭素循環に関わる湿原の機能を支えていることを明らかにしました。さらに、湿原内に異なる植物群および微生物群が含まれるほど、湿原の機能が多様になることがわかりました。

当研究室の研究成果(共同研究)が誌上発表されました. (2022.8.13)  LINK

中国内モンゴル自治区の乾燥草原における実験研究の成果の一部です。植物の量(バイオマス)と質(葉の化学成分)が、植食性昆虫の多様性に影響を与え、栄養段階を超えて捕食者に影響を及ぼす可能性を示唆しました。

当研究室の研究成果が誌上発表されました. (2022.8.8)  LINK

研究室卒業生の菊池優太朗が中心となって進めた研究(R3年度卒業論文)で、野鳥を題材とする動画の再生回数が特定の種の登場によって向上すること、動画の撮影場所(推定される場所)周辺の都市被覆と動画の再生回数に負の相関関係があることを明らかにしました。

当研究室の研究成果が誌上発表されました. (2022.7.7) LINK

青森県八甲田山系の湿原植物群集を対象に、種多様性と遺伝的多様性の空間分布パターンが群集・種レベルでの環境応答の類似性だけでなく、分散能力や種間競争に関わる形質の類似性によって決定されることを示しました。

当研究室の佐々木が分担執筆した「気候変動と乾燥地」が出版されました。 (2022.3.30)

「気候変動と草原植生」(pp.80-89)の執筆を担当しました。

第69回日本生態学会大会(福岡、オンライン)で、当研究室博士課程2年の石井直浩が優秀ポスター賞(分野:植物個体群・群落)を受賞しました。(2022.3.15)

今後、論文化ならびに研究を深めて行く予定です。

当研究室の研究成果が誌上発表されました. (2021.8.20) LINK

モンゴルの草原植物を対象に、遺伝的多様性と個体群サイズやその安定性の関係を評価しました。遺伝的多様性と個体群サイズ、安定性に有意な相加は認められず、種依存的なメカニズムによって個体群サイズや安定性が決定される可能性を示しました。

当研究室の研究成果が誌上発表されました. (2021.6.16) LINK

修士課程2年の冨高まほろが中心となって進めた研究で、都市公園と国立公園の植物群集の写真をデジタル合成操作し、都市公園および国立公園訪問者を対象に、選択実験を行ったものです。花色の多様性と種数が訪問者の植物群集への美的選好性を左右することがわかりました。また、花色を固定しても、種数と美的選好性の間に正の相関が認められました。

第68回日本生態学会大会(岡山、オンライン)で、当研究室修士課程2年の西村一晟が最優秀ポスター賞(分野:生物多様性)を、修士課程1年の冨高まほろが優秀ポスター賞(分野:保全)受賞しました。今後、論文化ならびに研究を深めて行く予定です。(2021.3.20)

第68回日本生態学会大会(岡山、オンライン)において、当研究室の佐々木が、第25回(日本生態学会宮地賞)を受賞し、受賞講演を行いました。(2021.3.20)

講演を視聴いただいたみなさま、ありがとうございました。また、あらためて、日頃よりお世話になっている研究者の方々に感謝申し上げます。今後も、研究室全員で生態学に貢献していきたいと思います。

当研究室の佐々木が編集・執筆した「都市科学事典」が出版されました。(2021.3.18)

領域6-3の「生態系と人間の関わり」の編集を担当しました。都市研究に関わるみなさまにとってご参考になれば幸いです.

研究室で取り組んでいるテーマ

【乾燥地の自然とその人間との関わり】

【高山の自然とその利用と保全】

【都市の自然とその人間との関わり】

【農のあり方を考える】

【人と自然の関わりを俯瞰する】


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過去の卒業論文・修士論文・学位論文のタイトル

卒業論文

「令和4年度」

  -海岸防災林の植栽密度および単植・混植による津波被害度の違い

  -都市近郊の里山環境の利用様式による植物種組成の比較

「令和3年度」

  -動画共有サービスにおける鳥類がもたらす文化的生態系サービスの評価

  -利用者の訪問動機・満足度に基づく主要な国立公園の観光スポットの魅力度評価

  -COVID-19パンデミック前後での大都市住民の緑地利用と主観的健康度の関係

「令和2年度」

  -日本国内における過去40年間の土地利用と植生被覆の変化:人口変動との関連性の考察

  -横浜市における台風による街路樹被害の実態

  -山岳湿原の泥炭微生物組成の決定要因

「令和1年度」

  -自然と一体になった文化財の指標による評価:都市域の神社と社叢林に着目して

  -生物多様性に対する人々の知覚とその要因:都市公園と自然公園における検証

  -標高の異なる山岳湿原群の植物送粉昆虫ネットワーク構造の検証

「平成30年度」

  -湿原植物群集組成の10年間の変化とその要因

  -湿原の減少・分断化と湿原植物の多様性:局所絶滅の遅れに着目して

  -高密度都市空間の街路樹に対する人々の知覚の規定要因:みなとみらい地区を事例に 

「平成29年度」

  -里山の市民利用により創出される文化的生態系サービスの評価

  -内モンゴル草原における植物種多様性の変化が地上部節足動物群集の多様性に与える影響

修士論文

「令和4年度」

  -Overlooked diversity of spontaneous plants in urban streetscapes in Oulu and Yokohama

  -都市化がもたらした東京大都市圏の残存緑地の生物相の長期変化

  -山岳湿原における昭和初期からの植生変化とその生態学的プロセスについて

  -生物多様性の変化が人獣共通感染症の感染リスクに与える影響

  -Plant and soil microbial community assembly processes across urban vacant lots

「令和3年度」

  -Spatial scales and urban greenspace types influence conservation awareness of the public: towards effective management of urban landscapes

  -山岳湿原における生物地理学的要因・環境要因が植物–送粉相互作用に与える影響

「令和2年度」

  -Plant functional rarity across different land use types in the megacity of Tokyo

  -山岳湿原における雪解け時期の違いと植物種組成・多様性との関係

  -自然草原における複数栄養段階を考慮した生物多様性効果の検証

  -種分布と湿原面積減少の空間パターンから湿原生態系の多様性変化を予測する

「令和1年度」

  -湿原生態系における花フェノロジーを規定する環境要因:ドローンと深層学習を用いて

  -訪花昆虫を介した植物多様性による種子生産への影響:植物の除去操作実験による検証

  -モンゴル草原における複合的な気候変動と多様性の実験操作による炭素動態への影響

「平成30年度」

  -都市近郊の里山環境の公園利用が創出する生物多様性とその要因

  -自然番組情報を用いた間接的な文化的生態系サービスの可視化~ビッグデータマイニングから~

博士論文

「令和4年度3月修了」

  -Local and landscape drivers of plant diversity and composition in urban greenspaces


卒業生の主な就職先

エヌエス環境

東京建物

日本HP

日揮

パシフィックコンサルタンツ

パナソニック・システムソリューションズ・ジャパン

KOA

三井住友信託銀行

国立研究開発法人物質・材料研究機構

問い合わせ先

横浜国立大学大学院環境情報研究院 佐々木研究室
研究室の場所:環境情報4号棟315号室 MAP

メール:sasaki-takehiro-kw(at)ynu.ac.jp(佐々木)

〒240-8501
神奈川県横浜市保土ヶ谷区常盤台79-7
環境情報4号棟315 佐々木研究室


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